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データを管理・運用する診療情報管理士の存在が大きくなっている

機密データを扱う専門職

機密データを扱う専門職

診療情報管理士として活躍したいなら、まずはどのような仕事なのかを正しく理解しましょう。仕事内容について説明します。

どんな仕事なのか

診療情報管理士は病院などの医療機関で患者に関するすべての情報(病気の経過や治療方法などの機密データ)を収集し、管理・運用する専門職です。診療情報を正確に記録することで患者に提供された医療が適切であったかどうかを検証できます。また、蓄積された診療情報はデータ化され、行政や研究機関にも提供されますが、それらのデータは医学研究にも活用されるため、医療の進歩にもつながるでしょう。診療情報管理士は医療の質と安全性の向上に重要な役割を果たしているといえます。
では、仕事内容について詳しく見ていきましょう。

「内容の確認」

診療情報を収集して、患者に行った診察や治療が適切であったか、記入漏れや間違いがないかなど、サマリー(病歴などをまとめた書類)の内容を細かくチェックします。誤りがあった場合は担当医に報告し、医師の指示を受けて正確な情報に修正します。
また、サマリーの作成も診療情報管理士の仕事です。定期的に各医師の状況を調査してサマリーの作成率を算出したり、未作成のサマリーの提出を促したりします。

「集めたデータの整理」

収集した診療情報を保管・管理し、世界共通のルールであるICD(国際統計分類)に基づいて、病名や治療方法をコーディング(疾病分類)し、データ化します。国によって表現方法が異なりますが(例えば「風邪」は国によって「cold」や「감기」など)、コードで分類することで誰でも認識できるようになります。

「整理したデータの活用」

集めて整理したデータは加工し、統計データとして活用できます。医師が論文執筆や学会発表に使用したり、診療情報に関する各種データを行政や研究機関に提供して新しい治療法の研究につなげたりなど、世界の医療の発展にも貢献できます。

「がん登録」

がん登録も診療情報管理士の仕事の1つです。がん登録では、「がんに罹患した人の氏名・性別・生年月日」「届出を行った医療機関名」「がんと診断された年月日」「がんの発見経緯」「がんの種類と進行度」「届出を行った医療機関で行っている治療内容」「診断日の居住地」「生存確認情報」などのデータが含まれていますが、これらのデータは都道府県ごとに整理され、全国のデータベースに登録されます。全国のデータベースに登録された情報はがんの実態把握や医療政策の立案に活用されます。
がん登録を行うには個人情報保護法に関する講習会を受講し、データの適切かつ安全な管理方法を学ばなければなりません。研修で得た知識を活かし、個人情報に配慮しながらがん登録を進めていきます。

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