医療業界のIT化が進んでいる今、診療情報を管理する診療情報管理士の重要性が増していますが、どのようなやりがいを感じられるのでしょうか。
診療情報管理士の仕事は、医療機関で働いている他の職種とは異なります。その分、この仕事ならではのやりがいもたくさんありますが、一番のやりがいは自分の知識が所属する医療機関の経営に貢献できることです。医療機関では患者の診療情報はとても重要なデータです。このデータがなければ患者に適切な治療をすることも、行った治療に対する診療報酬を請求することもできません。医師や看護師がいても診療情報管理士の仕事がなければ、医療機関の経営は成り立たないでしょう。
診療情報の管理・運営は診療情報管理士が責任を持って行う分野です。そのため、データの内容に不備や不足があれば医師や看護師に修正や内容の確認を求めることになります。直接医療行為を行っている医師や看護師と診療情報管理士の間に差はありません。データ管理の専門家として医師や看護師と対等の立場で接し、必要に応じて指導します。
診療情報管理士の仕事は、医療機関内のデータ管理が適切に行われているかどうかを確認したり、内容を修正したりすることです。データは診療時間内に更新されるのが一般的で、残業が発生することはほとんどありません。もし診療時間外に情報が更新されても翌日の情報と合わせて対応できます。定時に仕事を終えて帰宅できます。
それに、診療情報管理士は看護師のようなシフト制ではありません。基本的に土日祝日は休日なので、勤務時間が不規則になることはなく、規則正しい生活を送れます。
医師や看護師、医療事務など患者と接することが多い職種は患者の都合に合わせて動かなければならない時があります。しかし、データを扱う診療情報管理士は基本的に自分のペースで仕事を進められます。1日の仕事量やその日にこなさなければならない内容は決まっていますが、与えられた仕事をこなせれば進める順番は問われません。
自分でスケジュールを決められるのでマイペースに仕事を進めたい人にとってはとても魅力的でしょう。
診療情報管理士は勤務先によって仕事内容が変わるわけではありません。万が一、病院の経営状態が悪化したり、何らかの事情で転職したりしなければならなくなっても、それまでの経験やキャリアを活かしたまま活躍できます。