「診療情報管理士として活躍したい」という気持ちがあっても、適性がなければ続けていくのは難しいでしょう。どのような人が診療情報管理士に向いているのでしょうか。
診療情報管理士は日々膨大な量の機密データを扱っています。その中には患者の個人情報も含まれているため、取り扱いには細心の注意が必要です。1つずつ確認しながら、高い集中力を保って正確にデータを入力し続けなければなりません。データの扱い方によっては患者の生命が大きく左右されるため、几帳面で正確に業務を遂行できる人が向いています。
意外に思われるかもしれませんが、仕事の進捗管理ができる人も診療情報管理士に向いています。診療情報管理士としてキャリアを積んでいくと自分の裁量で仕事の流れを決めることができるようになります。そのため、納期内に仕事を完了できるよう、自分で仕事の流れを管理できる能力も必要です。
診療情報管理士は医師や看護師だけでなく、経営陣や医療事務、診療放射線技師など多くのスタッフと関わります。問題があれば部署や役割に関係なく、内容を確認したり、報告したりします。
また、診療情報管理士が作成したデータベースや分析結果が医療機関の経営そのものに影響を与えることもあるため、基本的な分析がきちんとできるのはもちろん、その結果を正確に対等な立場で議論する能力も必要です。そのため、コミュニケーション能力の高い人が診療情報管理士に向いているといえます。
まだアナログでデータを管理している医療機関もありますが、医療業界のIT化は進んでおり、様々なデータを電子的に扱うようになっています。診療情報管理士が扱うデータはデジタルであることが多いため、ある程度のパソコンスキルが必須です。
それに、扱っているデータは論理的なものばかりです。抽象的な思考ではなく、論理的な裏付けを持って情報を処理しなければなりません。医学的な思考も重要なので、それらの知識を使って考え、仕事に落とし込む能力も求められています。
医師が記載したカルテや文書をデータ化するのも診療情報管理士の仕事です。しかし、それらの文書は英語やドイツ語で書かれていることも多く、ある程度の外国語リーディングスキルがなければ難しいでしょう。診療情報管理士の資格を取得する過程で必要な知識を身に付けることはできますが、読解力を磨くには自主的に努力するしかありません。資格を取得したからといって安心せず、自主的に学び対応できる幅を広げましょう。